頭痛

頭痛

【片頭痛】

我が国の片頭痛を抱えている方の割合は8.4%とも言われています。2040代の若い女性に多く、生理など女性ホルモンの変動による影響、低気圧など天候、アルコール、ストレス、睡眠不足と様々な誘因により脳の血管の拡張と炎症を引き起こし片頭痛が生じると言われています。

古くは『邪馬台国の女王 卑弥呼』も天気を予測していたのではといっている人もいます。

〇頭痛の際に日常的な動作により頭痛がひどくなる。

〇頭痛に伴って吐き気がしたりムカムカすることがある。

〇頭痛に伴って普段気にならない程度の光がまぶしく感じる。

〇頭痛に伴って臭いが嫌だと感じることが多い。

 上記のうち2項目以上当てはまる方は片頭痛の可能性が高いです。

  

 では、片頭痛はどのように起こるのでしょうか。現在、セロトニンと呼ばれる血管に作用するような物質が出る説、

 三叉神経と呼ばれる痛みを司る神経から痛みを起こす物質を出すことにより血管を刺激する説などが考えられています。

 動いたり、頭を動かしたりしたときに頭痛がひどくなります。


 片頭痛の中には『前兆のある片頭痛』と『前兆のない片頭痛』があります。

 前兆とは、通常5~20分程度、視野が欠けたり、キラキラした光がや歯車が視野に出たりすることがあります。こういった頭痛ものが

 頭痛の前に出るタイプが『前兆のある片頭痛』です。これらの前兆がないものが『前兆のない片頭痛』です。


 頭痛出現時にはトリプタン製剤といって血管作動性物質を抑えて頭痛を改善するような薬があります。


   内服、点鼻薬がありますが使用するタイミングにより得られる効果が異なりますんので、図にお示しします。                 


                                            


 

また、週に1~2回程度以上の頭痛がある方は、予防薬と言って月の頭痛の頻度や重症度を改善することができるのでご相談ください。

 

【緊張型頭痛】

最も多い頭痛です。パソコン作業など長時間同じ姿勢でいる方に多い頭痛です。症状としては、頭を締め付けられるような痛みが主体であり、筋肉や神経の緊張により生じます。片頭痛とは異なり、歩行や階段の昇降などで頭痛は増悪しません。マッサージやストレッチなどで改善し、長時間のパソコン作業などで肩こりなど筋緊張が強い方は定期的に休憩や姿勢を変える、ストレッチをするなども有効な手段となります。


【群発頭痛】

片頭痛とは異なり、2040代の男性に多い頭痛となります。眼の奥などに激烈な痛みが出現して15分~3時間程度持続するような頭痛になります。眼の充血や流涙や鼻閉、眼のむくみなどを認めることがあります。発作はいわゆる群発期と呼ばれる数週間から数ヶ月続くような期間があります。群発期はアルコールで増悪します。


【後頭神経痛】

後頭部の頭皮に生じる片側もしくは両側のズキンと刺すような痛みがあり数秒から数分間持続します。間隔をおいて繰り返しします。

数日後に水疱が出現し、帯状疱疹と診断されることもあり、鑑別が必要になることもあります。


【三叉神経痛】

顔面の感覚を支配する三叉神経と呼ばれる神経が血管による圧迫により症状を生じることが分かっています。頬や口の周りに反復する電撃的な痛みがあり、洗顔、歯磨きや食事などで誘発されることも多くあります。数秒から数十秒持続し、繰り返す痛みを生じます。治療については、カルバマゼピンと呼ばれる抗てんかん薬を内服することで症状の緩和が得られますが、内服治療により改善しない場合や副作用などで継続が困難な場合には外科的治療を要する場合もあります。


【薬物乱用頭痛】

多くが片頭痛の方で頭痛が頻回にあり、市販薬や鎮痛剤などを連用することにより生じる頭痛です。3ヶ月を超えて月に10日以上の鎮痛剤・頭痛薬の内服をしている方に生じます。鎮痛剤中止2か月程度すると改善していきます。前述の通り、片頭痛に伴い方が多いので、原因薬物の中止、予防薬の検討、中止後に起こる頭痛への対応などにより症状の改善が得られることがあります。

 

頭痛の中にはくも膜下出血のように命にかかわる頭痛と片頭痛のように命にはかかわらない頭痛があります。

また、脳腫瘍や脳出血、副鼻腔炎、脳炎などが原因で起こるような頭痛があります。頭痛の中には緊急性を要するような疾患も多く存在します。

以下のような症状の場合には医療機関を受診することをおすすめします。

〇5分以内に痛みが最高に達するような突然の頭痛

〇今まで経験したことのないような頭痛

〇発熱を伴う頭痛

〇頻度が増えている頭痛

〇50歳以上で初めて経験した頭痛

〇手足に力が入らないなどの症状を伴う頭痛

 

 当院では診断確定のため問診、診察のほかに、必要に応じて血液検査を行っております。また、副鼻腔炎や脳腫瘍などの疾患除外のため、ご自宅あるいは職場から近隣の医療機関において画像検査を依頼して適切な治療を行います。

お気軽にお問い合わせください。